プロスペクト理論から見たシステム監査の必要性
これ以上ITに何を求めるのだろうか?
私がシステムを作る側から監査する側に移った大きな理由のひとつは、これ以上ITで利便性追求しなくってもよくね?という思いである。確かに技術はより進歩し、開発・運用のテクニックは発展し、Web2.0どころか4.0、8.0、16.0とムーアの法則のごとく飛躍的に進化し、世の中は様々な便利なシステムで満ち溢れていくのかもしれない。
だが、それで人は幸せになれるのか。
経済学的に考えると、人間は一定の効用を得るとそれ以上は財から得られる効用(幸せ度合い)は逓減していく。単純で身近な例で考えると、携帯が普及したことによる効用、携帯でメールが打てるようになった効用、携帯でカメラが取れるようになった効用、携帯でテレビが見れるようになった効用を比較すると最初のほうが大きく、徐々に小さくなっている。実際これ以上携帯に機能はいらんだろうと私は思う。
一方で、一度手に入れたものを失うことはとてつもない痛みを感ずる。
経済学ではこれをプロスペクト理論という
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E7%90%86%E8%AB%96
つまり、普段日常的に使用しているシステムがいざ使用できなくなった、という際には大きな痛みを感じる。たとえば、また携帯の例で言えば、携帯が無かった世の中が携帯がある世の中に変わったことによって得られるベネフィットの絶対値に比較して携帯がある世の中から携帯が無い世の中に変わることによって得られるロスの絶対値のほうが大きい。
じゃぁ、その痛みを与える障害や問題をなくすためにはどうしたらよいのか。
その問いに対する答えが「システム監査」だったというわけだ。
(これを書いていて気づいたこと2点。新しいITサービスによる効用は恒常的に得られるが、システム障害などは一時的であるということ。あと、効用が逓減的に増加するというのは財の一定度合いでの増加に対してなので、技術革新が乗数的に増える、つまり財の増加が乗数的であれば、効用増加は逓減しないのではないか、ということ。ここらへんはおいおいまた検討ということで。)
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